記憶の参照
記憶の参照を辿っていた。大体の物事って共通点があると思うから、他の問題を解くのにも使える。匿名のユーザーが 1 つ消えた瞬間の記憶を辿ってみた。北陸から九州へ移住して、2ch の常駐板を減らしたのもこの時期だ。丁度まとめブログの影響で、リア充や若い世代が流れてきて、同世代のニュー速民も他のサーバーへと移住していった。
だけど、今でも書き込みが無ければ何日も走らない静かな板、リアルでは出来ない様な特殊な話が出来る板、文脈だけで書き込んだのが誰だか分かる殺伐とした板、古き良き時代のインターネットがある板、その辺りには今でも常駐している。2ch への常駐は10年以上になるだろうか。
鯉幟煎 '09 GW 宮崎勇者 (ニュース速報 VIP)
何年前だろうね。2ch のアレ。
— ほふちゃん X (@hofchan) February 13, 2015
話は 2009 年に遡る、その時にどこの板を見ていたのかは忘れたが、トリップを付けた GM がリンクを貼ってきた。それは VIPPER のあんたがたに挑戦します。 の 2009 GW 開始の告知だった。「あんたがた」が始まれば、VIPPER でなくともニュース速報 VIP で同じ様な書き込みをした。スレッドの過去ログは evernote に保存してある。ゲームのルールと、まとめのフラッシュも一緒に公開ノートブックにしておいた。
Evernote shared notebook: 鯉幟煎 '09 GW 過去ログ保存
ラーメン！ラーメン！
— ほふちゃん X (@hofchan) May 1, 2009
'09 GW が何番煎じかも忘れた頃だったが、初日に「したらば」から本スレに参加した。2009年の5月の話だから twitter や、他の面白い web サービスもあったし、ほぼ ROM って他のサーバーで遊んでいたけれども追いかけた。匿名のインターネットが当たり前だった。色々な匿名サーバーで遊んだが mixi だけは好きになれなかった頃の話かな。
そういえば OS を入れ換えて、mixi に二度と入れなくなった、まぁ放置してたけどね
— ほふちゃん X (@hofchan) January 23, 2008
twitter に関しては、2ch 掲示板よりも古くから常駐しているサーバーから流れてきたアカウントとほぼ同じ名前だ。モチロン今でもそのサーバーには常駐している。とにかく当時は違う名前のアカウントを使うか、完全な匿名が好きだったんだ。だけど GNU/Linux しか持っていなかったので、ゲームサーバーへは接続出来なかったから 2ch の最下層へ書き込みながら web サービスで遊んだり IRC をしてたんだろうな。
この時の記憶を追いかけていたのは、ガムテープを手に入れた時に話をした GM と、スネークの事を思い出したから。思い出したキッカケは次の写真。これが今回の記憶の参照【鯉幟煎 ’09GW】 のパスワード。これを匿名ユーザー同士で割りながら場所を探した宮崎のガムテープ。念願の勇者になれた瞬間だった。
実名のインターネットには無い、匿名のインターネットの楽しさがあった。静かな板では、書き込むのも躊躇する様な殺伐とした雰囲気が逆に心地良く、unstable な Linux を走らせながら、技術的な問題にぶつかってはそれを解き、解決方法をあえて 2ch に丁寧に書き込んで何も言わずに去っていく。
その問題を検索すれば、自分が投稿した解法が Bugzilla に上がるよりも前に、名無しの書き込みとして google 検索の1ページ目に出てくる感じが好きだった。名無しで立てたスレッドを、スレタイだけで最後まで走らせた瞬間が好きだった。twitter よりも絡みの少ない感じが好きだった。意味なくコテハンを論破するのが好きだった。深夜から朝方にかけて「ゆとり」がいない、同世代の「2ちゃんねらー」だけで遊べる「ニータイム」が好きだった。「祭り」が好きだった。深夜に普段は見ない板を朝まで読むのが好きだった。ずっと 2ch が好きだった。
電車男から5年か.... 早いな...
— ほふちゃん X (@hofchan) June 29, 2009
この時期くらいから Facebook での実名登録が当たり前になってきて、インターネットの匿名性が失われていった。それ以前から、某所ではフルネームも顔写真も電話番号もインターネット上に公開していた私は、ネットの住人と一緒に色々なサーバーへ、別なユーザーネームでアカウントを作り、移住を繰り返して今に至る。
10年以上前からのネットの中の友人とは、男女共に今でも良く話をする。LINE や電話で話をしたりもするし、住所だって知ってるから贈り物をしたり、貰ったりもする。他のサーバーで一緒に遊んだりもする。Skype ビデオチャットで顔だって知っている。会わないままで、このインターフェイスを維持している。相手も同じ距離感が好きなんだろうな。私はいつもそこにいた。
ニュース速報や、そこから分裂したニュース速報 VIP 板で、暇を潰した日々もこの日で終わった。あの日の名無し b2oA76CXP / (◆Kl3dO/3Kr2) wvBAR0dNP の記憶は今 id:keiXX の記憶として merge された。匿名の距離感でインターネットをやっている感覚があった。色々なサーバーから twitter や Facebook にみんな流れた。未来のインターネットはどんな風になっているのだろうな。そんな事を考えながらガムテープを見ていた。
- 作者: 2ちゃんねる,泣ける2ちゃんねる管理人
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